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マンガ★ゲットを 御存知でしょうか?

無料の漫画投稿・閲覧サイト 「マンガ★ゲット」。 に、遅れて来たユーザ 蛸。 の、「もしかして、既に? もう、今更…ですか?」 な記事です・・・

花田 陵氏 『デビルズライン』のこと・4:キャラルックスの変化について

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1. キャラルックスの変移・変貌

1-1. 安斎氏の変化。

『デビルズライン』連載開始当初は、今より細面・面長でした。

気怠げに見えます。

 

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以後、

子供っぽい顔立ちになったり…。

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個人的には

その中間あたりの顔

・・・が、好きですが。

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変異した顔

  で、美しく描かれたものも、好きです。

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きゅんきゅん♡な恋愛アリ作品の、イケメン主役を、巻頭カラーで

こーゆーふーに描いちゃう女性作家…。

 

 

1-2. 過去作でのキャラルックス。

花田氏としては、そもそも。

淡々とした細面キャラがお好きで、持ち味の一つ

だったんじゃないかな、と。

氏のサイトで過去作を再読し、改めて思いました。

 

◆過去作『スタシオン』(2008年)より、主人公。

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◆過去作『夜宴』第1部(2012年)より、脇役ふたり。

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この『夜宴』第1部の頃までは、すっきり・さらりとした絵柄でした。 描線も、強弱の殆ど無い一本線。 20・30代のイケメンキャラ達は、大体が面長。等身が大きく、すらりとしています。

 

 

1-3. 石丸氏の変貌。

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気怠げ。 穏やかで、とぼけてたり。 飄々としてる。

しかし、この彼の。

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細面。淡々としつつ内面が滲む。このシリアス顔のかっこよさ!

これを印象的に描くため、効果的に落差つけるための、普段のあの。

ぬぼ~んなカオだったのかッ!? 

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2. 豹変するキャラ。 他作家での例

徐々に顔立ちの描き方が変移していく、のではなく。

場面・そのキャラの心情?によって、まさに豹変する例を、いくつか。

 

永野護氏 『ファイブスター物語』

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(↑ 同一人物です)

BS漫画夜話『ファイブスター物語』の回で。

夏目房之介氏が、左の絵があるページを提示して、

《さすがにこれは私、(前のページに戻って?同一人物かと)見直しました。 (イキナリ違うので)ぎょっとするわけだよ》

《こういう内面を持っている(キャラで、それが出た絵である)》

とかいうようなコトを言っておられたと思います(うろ覚えですが)。

 

こういう作風の作家である、ということ。

これをサラリとやってのけて、それでも付いて来る読者層を獲得している。

それだけ面白い・支持される作品を描いているからこそ出来る事なのだなぁ と思う蛸です。

 

 

◆山岸涼子氏 『日出処の天子』

主人公・厩戸皇子は、

《場面によって、これが同一人物か?という程に異なる》とかいうような事を、夏目氏がBS漫画夜話『日出処の天子』の回で述べていたくらいに、多彩に変化します。

 

以下は、当方がそれを感じた絵の例です。

 

2-1.  短時間(数分?)のうちに変化する貌。

f:id:TACOMIC:20160713181557p:plain なぜか固まってしまった皇子。硬質さを表わす為か、細面・面長。 頭部も尖り気味で、髪量も少なめ。

 f:id:TACOMIC:20160713181618p:plain 回復し、落ち着いた皇子。すっきりと優美な流線。頭部も丸みを帯びている。陰翳ナシ。

 f:id:TACOMIC:20160713181643p:plain 深刻な事に気づいた皇子。 顔輪郭と鼻梁は直線・鋭角的に。 眉と髪は揺らぎ乱れる。

山岸氏の特徴である、ざかざか描き込まれた陰翳線。輪郭・主線はそう太くもないのに対し、しゃしゃ線としては細くない。

 

2-2. ついに、「恋愛」を明言してしまった場面。

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 f:id:TACOMIC:20160713181841p:plain 相手と自分が「絶対的な一対」であることを、確信を持って語る皇子。

頤(おとがい=下顎の先)が細く前方へ尖りぎみ。曲線でありながら鋭角的な造形。化粧したかのように眉・アイライン・睫毛・唇がくっきり。 髪も多め、目も大きめになってる。 情感豊かな「おんな」の貌、というか…(上の3つに比べて、「描き手の気合い」の濃さを感じるのは儂だけでしょうか)。

 

(ホントは「隠し部屋で毛人とイチャついてた時の貌」とか、「戦場での多様な変貌」とか例示したいとこですが…未読の方は読むべし!!)

 

Wikipedia『日出処の天子』より。

夏目房之介は「戦後マンガ史に残る傑作である」と評価。不安定に変化する厩戸王子の表情に注目して、その変貌を「手塚治虫以来日本のマンガに脈うつ男女変身譚および異人変身譚の最大の収穫のひとつだろう」と語っている

日出処の天子 - Wikipedia

  

◆その他。

キャラの変貌について、漫画夜話で述べてた作品は…

 ◆藤田和日郎氏 『うしおととら』

《長髪化=ケモノ性》とか《人格崩壊=ヒビが入ったような目》とか。

しかし、そもそも「モノノケ」なので、変化して当然なので割愛します(というか細かいところを憶えてない蛸)。

 ◆吉田聡氏 『湘南爆走族』

《怒りの顔》とか…

 

・・・漫画でのキャラルックス「豹変」って、そう珍しくもないですね。

憑依型作家なら、「降りてきたモノを、常識に囚われず、感性のままに描いてしまう」ということかな、と思い、

いや「憑依型」かどうかなど、儂が判定できることではないなぁ、と…

(漫画夜話・山岸氏の回でも。《憑依型かどうかの見分け方》云々が話題になったものの、誤魔化してましたし。)

 

・・・と、儂も誤魔化しつつ、では。

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『デビルズライン』記事・5に続きます。